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年頭の挨拶

 海 野 俊 堂

新年明けましておめでとうございます。

 昨年静岡県内では、おそらく一生に一度しか経験しない「国民文化祭」が開催され、それに加えて様々な文化行事も例年通り行われ、年の後半はまさしく「文化に浸る」年でありました。会員の皆様も恐らくご多忙であったことと拝察致します。反面文化というものは、「こんなにも頑張らないと認知されないものなのか」とも感じました。

 以前から機会ある毎に触れてきましたが、一昨年十二月よりこれまでの公益法人は新制度により、五年間の移行期間を経て、新たな認証による法人格へと認定または認可を得ることになります。マスコミではあたかも全ての公益法人が悪の隠れ蓑であるかのような表現をして、地道に文化の普及継承に尽力している団体に多大な迷惑を掛けていますが、国から多額の補助金を受け取ったり、官僚の天下りを受け入れている一部の法人のために、自力で必死になって伝統文化の継承をしている法人があることも、しっかりと報道して欲しいものだと思います。

 昨年も各地で開催された数多くの茶会に顔を出させて頂いたり、自分たちで茶会を行ったりしました。私どもが茶席を持つ時に最も気を付けることは、茶会の性格と茶席の位置付けの関係です。茶会には実に様々な性格の茶会があります。煎茶道だけの流派による茶会または静風流だけの茶会。抹茶と煎茶双方による茶会。文化催事などの呈茶席。文化祭などの茶会等・・・。つまり茶会の性格を理解して初めて道具やしつらえ、お茶、お菓子などが決まるわけで、自分一人が闇雲に突っ走るものではありません。また茶会の性格が決まれば、今度はその中で茶席の位置付けが決まるわけで、全てにおいて関連付けられています。その立場を上手にわきまえた席がバランスよくその茶会に収まるわけです。これまで何度も言って来ましたが、如何なる素晴らしい茶席道具でも、茗主がお客様に対してもてなす気持ちが無ければ何の意味も有りません。静風流の会員は、誰もがこの世界において静風流の看板を背負っています。大いに自負し、また汚すことがないよう静風流煎茶道の普及に貢献して頂きたいと思います。

 本年も宜しくお願い致します。





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Senchadou Seifuryu