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年頭の挨拶

 海 野 俊 堂

新年明けましておめでとうございます。

 昨年二月、あまりに突然の会長の逝去により、私どもは喪に服しての新年となりましたが、会員の皆様におかれましては、どんな正月をお迎えでしょうか。人の命の儚さを痛感した昨年一年でした。

 とはいうものの月日の経つのは早いもので、あとひと月で一周忌を迎えます。初代家元龍堂師が静風流の基礎を作り、それを飛躍的に拡大成長させた二代彰堂師を全面的に支えた当時の副家元(前会長光馨)は、一見男勝りの辣腕を振いながら、それからの四十年を茶道一筋に生き抜きました。そんな印象が思い出される会長ですが、実はとても繊細で一生懸命仕事に生きることで、不安を吹き飛ばしていたようにも思います。一周忌を前に、謹んでその功績と人となりを偲びたいと思います。

 さて本年は一体どんな年になるのでしょうか?政治も経済も不安なことばかりで、何も良いことがないようにも思えますが、反対にここまで悪ければ、後は良くなる以外にありません。むしろ勝負の年になるのではないでしょうか。煎茶道の世界で「勝負」という言葉は相応しくないように思いますが、私どもを取り巻く環境は益々厳しくなっていきます。今、恐らく昭和から平成までの習い事の世界では、最も悪い状況ではないでしょうか。公益法人としても、新しい制度下での認定を突破する試練も待ち受けています。そんな状況で、昔は良かったなどといつまでも言ってはいられません。「昔」は二度とないと言っても過言ではないでしょう。要は次の時代を早く迎えるべきであると思います。新しいスタンダードを早く作り上げた者が勝ち組になるわけで、数に捉われず、質にこだわった体質作りが重要です。そして会員の皆さんには、是非静風流煎茶道のエキスパートになって頂きたいと思います。そして静風流の派遣大使として様々な方面で活躍してください。

 昨年フランスのストラスブールで行われたジャパンウィークでも、私が煎茶道に関わる歴史や意義などを一生懸命に説明すると、現地の人達は日本人以上に多大な関心を抱き、次の会が始まらない程の質問を浴びせられました。言葉の壁を越える興味が勝るわけです。私自身つくづく煎茶道に携わって幸せであると思いました。

 本年も宜しくお願い致します。





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Senchadou Seifuryu